家庭菜園研究家のもぐみん(@agrimichi)です。
家庭菜園初心者向けに、タイムの栽培・育て方の基本をまとめました。
タイムの種植えから育苗、収穫までお伝えします。
さらに栽培のコツや病害虫対策、利用方法まで網羅しているため、安心して香り高いタイムを育てれるようになっています。
タイムとは
タイムは清涼感のある癖のない香りと、ぴりっとした辛みのあるハーブ。葉が小さいため葉茎ごと利用されます。
オイル、ビネガー、バターの風味づけに使用されるなど、汎用性が高いことから人気があります。
特にフランス料理のシチューなどで使うブーケガルニでは欠かせない存在。
葉や茎から抽出する精油には消炎、防腐、殺菌効果があり用途は料理にとどまりません。
冬に霜やけした赤色の葉は着色料にもなります。

注意ポイント
・アレルギーを持っている人や妊娠時、小児は使用しないこと
タイム栽培の特徴
種類 | 科目 | 発芽適温 | 株の大きさ | 連作障害 | PH(土壌酸度) |
タイム | シソ科 | 25℃前後 | 縦40㎝、横30cm | あり(2~3年程あける) | 6.0~6.5(弱酸性) |
タイムの原産地はヨーロッパで、日当たりが良く水はけと通気性の良い環境を好むハーブ。
丈夫で生育旺盛、病害虫にも侵されず一年中穫れて栽培は簡単です。
さらに刺し芽で容易に根付くため繁殖も容易。
ただし湿気には弱く、梅雨時期には蒸れて枯れやすいので適宜切り戻ししてやる必要があります。
暑さにも若干弱めなので鉢植えは半日陰の場所にしてやると良いでしょう。
栽培ポイント
・4~5年経つと木質化するので刺し芽で更新してやる
・湿気に弱いため適宜切り戻しで風通しよく
・水やりは控えめでOK
タイムの品種について
タイムは立ち性タイプと匍匐(クリーピング)性に分類できます。
料理に使われるのはコモンタイムなど立ち性タイプになります。
コモンタイム
オレンジタイム
クリーピングタイム
オレガノタイム
タイムの栽培時期
タイムの地域ごとの栽培スケジュールになります。
coming soon‥
種まき・育苗
タイムは種まきからだと初期生長が遅いため時間がかかります。
株分けや刺し木により容易に繁殖可能なので、市販の苗から育てるのが簡単でおススメ。
培養土を入れた3号ポリ鉢へ事前に水をかけた後、種を2~3粒まきます。
そして土を軽く被せて軽く手で押さえつけ、水を十分にかけてやります。
本葉が一枚出るころに二本をまびいて一本仕立てに。
そのまま草丈7~8cmほどの苗に育てていきます。
種まきポイント
・乾燥しないよう、発芽するまで毎朝水やりをしよう
・十分に暖かくなってからまく
植え付け
タイムは畑に地植え、鉢植え両方できます。
初心者は市販の苗を買い、鉢植えするのがお手軽簡単でおススメ。
葉色が鮮やかで茎が太く、根本がしっかりしているものを選びます。
下の葉が黄色くなっている苗は避けてください。
地植え
しっかりと耕し、苦土石灰を100g/㎡を混ぜ幅60cm、高さ10cmの畝を作ります。
100g/㎡の化成肥料888を入れ、混ぜ込みましょう。
株間20cm、条間50cmあけて植え付けていってください。
ポット大の穴を掘り、水をいれます。
十分に水をしみ込ませた苗を植え穴に入れ、軽く土をかけて手で押さえてください。
最後にたっぷりと水やりをして完了。
ポイント
・植え付けの一週間前までに耕し元肥を入れておく
鉢植え
タイムは根を深く張らないため、比較的浅めの鉢で構いません。
新しい鉢・プランターを用意し、鉢底網を置き、軽石を少量入れます。
ハーブ用の培養土を鉢に入れ、ポット大の植穴を開けます。
ポットの土を崩さないように苗を植え付け軽く上から押さえてください。
最後にたっぷりと水やりして完了。

ポイント
・株元を高めに植えて風通しをよくしよう
・コンテナ栽培の場合は株間10cmほどあけよう
置き場所・管理
日光が良く当たる場所、あるいは半日陰の環境が適しています。ベランダや屋内の窓際でも十分。水差しでキッチンに置いておくのも香り豊かで良いでしょう。
水やりは土の表面が乾いたらたっぷりやりましょう。多湿を極端に嫌うため水のやりすぎには注意してください。
茎葉が込み合ってきたら蒸れ対策に思い切って根元から切り戻しします。
摘心・剪定(切り戻し)
タイムは湿気に弱いハーブです。
湿害にあい葉が黄変して弱りやすいので、梅雨前から夏にかけて株の半分を目安に思い切って刈り込んでやりましょう。
だいたい一年に2~3回は株元から刈り込んで新芽を出させるイメージで栽培してください。
また5月ごろに花芽をつけると枯れやすくなるので早めに枝ごと摘み取りましょう。
追肥の仕方
植え付けから一カ月後、三週間おきに株元に5g(一つまみ)の化成肥料888を追肥します。
鉢植えの場合は春先から液肥を刺しても良いでしょう。
収穫
植え付けて株が10cm以上になれば茎ごと切り取って収穫出来ます。
花芽は植えた翌年から穫れますよ。
冬越し
タイムは寒さに強く、ほぼ一年中収穫を楽しむことが出来ます。
晩秋には生長がほぼ止まるので、株元から刈りとった後(切り戻し)、お礼肥として追肥(888一つまみ)してください。
来春また新芽を出してくれます。
ただし極寒地域では、霜が頻繁に降りて切り戻しすると痛みやすくなるため敢えてそのままで春先に刈り取ってやるのが良いでしょう。
株の更新
タイムは長い期間栽培すると、茎葉が木質化して堅くなります。4~5年はそのまま栽培して問題ありません。
それ以降は株分けしてやることもできますが、先端の茎葉をとってさし芽をしてやると、容易に根付きます。
鉢植えでは鉢底から根が出てきたら株分けして植え替えてやりましょう。
